星明かりグラフィクスの雑感とすすめ

  面白かったので、感想を書きます。ネタバレはないです。

 

 

 

  といっても、漫画が手元にありません。友人の家に泊まったついでに読みました。いきなり閑話休題なんですけど、彼の家は非常に散らかっていて、漫画もペットボトルも小銭も床に転がっています。それにベッドのシーツも長いこと洗っていないのでしょう、そもそも彼が玄関扉を開けてくれた瞬間からお察しなにおいがします。ひとばん彼の家に泊まって帰ると、においがします。そう思えばなんとなくいいことがあったような気になれます。

 

  そんなむさくるしい部屋のベッドのかげに、妙に新しげな漫画が寝ていました。はやく本題に入れよって、ですよね。

 これから記憶を頼りに感想を書きます。一読して未消化のまま他人に紹介するときのスタイルです。後日、自分で買ったらまたあらためて書くつもりです。ちなみにこのブログは転載OKというか著作権放棄です。あんま意味ないだろうけど、とりあえず。

 

 

 

 

 

 

    さて、もう一度あらすじを振り返ります。明里(美術科)と星(デザイン科)は同じ芸大に通う二回生。明里は人を利用しようとするタイプの人間で、星は人に求められたがる人間です。星の才能に目をつけていた明里は、星の作品をちょっとした学内コンテストに断りなく出品します。

  二回生にしては上々といえる賞を受賞したことによってはじめて事情を知った星は、明里にはありがた迷惑だといいつつもなんだかんだで喜びます。しかし最優秀賞を受けた三回生との出会いが、星の心を揺さぶるのでした。火がついたかと思えば、折れそうになったり。

  明里は星の天賦の才を発揮させられるよう、星との協力で自分の名も上げられるよう、星が自分から離れていかぬよう、できる限りのことをしようとします。以下続刊。総員全裸待機。

   少し冷静に考えてみると、面白かったというよりは、読みやすかったといったほうが正直なのかもしれません。突然冷静になられてお困りの方がいらっしゃいそうですね。

  中三の夏休みの読書感想文を三島由紀夫金閣寺で書いたのですが、あまりに小っ恥ずかしかったので提出しなかったという思い出があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

  この物語の柱は「天才と凡才」と「友情」です(広義の百合作品として捉えるファンも少なくないようですね)。ともすれば凡人の卑屈さに居た堪れなくなることも多い「天才と凡才」というテーマですが、明里が「天才」を自分のために利用してやるんだと割り切っているので安心して読めます。

  自分が「天才」をどうしたいのか、「天才」とどうなりたいのか自覚して認めないと、「天才」側としても相手を信用出来なくなってしまいます。人付き合いの悪い星が明里と友達になれたのは、明里が彼女を恐れていない(少なくとも彼女にはそう見える)ことが彼女を安心させるからです。相手が自分を怖がってると、わざと怖がらせようとしていない限りこっちも不安ですよね。僕は今のところ「強い」明里が明確な弱みを見せてくれるのを待っています。

  また、ことばづかいが割りとしっかりしてます。

  勿論一般的に作家が目指すのはひとりでも多くの人に自分の作品を見てもらうことですから、わざわざつまらないところで意地を張って危うい表現を残したりはしないでしょう。 

 しかし僕はちょっとしたことですぐ腹を立てます。「1万円入ります」とか「こちら○○になります」とかもかなりのダメージソースです。こういう表現があると一息つきたくなります。 あずまんが大王にもそんなシーンありましたね。たとえば大阪なら「なんでやろなあ」と純粋な疑問を呈するところで、僕は「おかしいやろ!」と独り善がりに憤激してしまうというわけです(件のシーンに大阪は出てきませんが)。

  そんな僕には大阪みたいなキャラへの強い憧れがあるのですが、流石にその話まですると収拾がつかなくなるのでそれはそれとして。あー美少女になりたい。

  

   というわけで(どういうわけだ?)(90年代のエッセイにありがちな枕)、星明かりグラフィクスは僕にこれを書かせました。

  ちなみに僕が現在自力で追っている漫画は大蜘蛛ちゃんフラッシュバックと三ツ星カラーズと異種族レビュアーズだけです。ここに星明かりグラフィクスが加わります。こう聞くとなんだか不穏な空気が漂いはじめますが、星明かりグラフィクスは万人が万人におすすめする作品です。是非とも読んでみてほしいです。

 

 

星明りグラフィクスhttps://www.kadokawa.co.jp/product/321702000024/